え? ゲームって攻略を見てから遊ぶんじゃないの?

……なんて、まあ邪道な考えから始まったのだが、私のプレイスタイルはまさにこれなのだ。 しかも、なるべくゲーム攻略サイトではなく攻略本を手元に置いておいて、だ。最近はちょっとずぼらだったから攻略本を持っているのにゲーム攻略サイトに浮気したりしたがそれはそれ。

たとえば映画もあらすじを見てから見るか決める人がいるだろう。そんな感覚で私は攻略チャートをひと通り見て、ゲームの内容を想像してから遊ぶ。ただ攻略チャートを読んで、機械的にゲームを遊んでいるのではないことはわかってほしい。 ではなぜ私がわざわざ便利なゲーム攻略サイトではなく、現代では不便と感じてしまうようになった攻略本を使うこともあるのか。 端的に言うと、ワクワクするから、だ。

ゲーム攻略サイトは自分の今欲しい情報「だけ」を瞬時に検索できる。 もちろん、効率的にゲームを遊ぶうえではそれは重要なことだと思う。 しかし15年くらい前、ゲームを遊んだことのある人はぜひ思い出してみてほしい。当時ゲームを遊んでいない人も想像してみてほしい。

今でこそゲームが発売されればすぐに攻略サイトが立ち上がる時代だ。昔は攻略本かゲーム仲間からの情報を口コミで聞くか、だったと思う。現に私が未就学児だった頃は、近所に住む年上の友人から攻略情報を聞いてやっとそのゲームの進め方を知る、みたいな感じだった。 今で考えるとなんてアナログなんだろう! と思う人もいるだろう。それくらい、インターネットは発達したのだ。 一方で考えてみてほしい。

攻略本は自分の今欲しい情報「と、それに関連する情報」を、ページを開くと読むことが出来る。 私の手元にある攻略本の内容になってしまうのだが、『ポケットモンスター ソード・シールド』公式ガイドブックのとあるページにゲーム内アイテム「すごいみみせん」の情報がある。このアイテムはなんだろう? と攻略本を見ると、『入手後「せってい」にBGM・SE・なきごえの項目が増える』とある。「そっか!」と納得するが、同じページに「ポケモンにどうぐを持たせよう」というキャプションがある。『ポケットモンスター』シリーズを通して遊んでいる人にとっては当たり前のことだが、初めて遊ぶ人にとっては、ゲーム内で説明の少ないこの情報ももう一度確認することができて「そっか!」となるのだ。

もちろん、ゲーム攻略サイトでも関連記事としてこのような情報は出てくるだろう。だがそのページをクリックして読むか? と言われると、さあどうだろうか。必要ないと思ったらまず読まない。 攻略本は、当たり前だが初めて遊ぶ人も、熟練の人にも向けて作られている。 たまにこんなことはないだろうか?

ゲーム内のチュートリアルっぽいセリフをすっ飛ばしてしまうとき。ま、『ポケットモンスター』シリーズなら多少はすっ飛ばしてしまってもなんとかなるのが優しいところだと私は思う。 ゲーム機は変わるがPS4の『Horizon Zero Dawn』みたいな正確な操作を求められるゲームはチュートリアルを飛ばしてしまうととても大変で、私みたいなゲーム下手がそんなことをしてしまうと……チュートリアルなのになぜかゲームオーバー、なんてこともある。私の代わりにゲームが出来る妹のプレイを見ながら一緒にやいのやいの言うのが楽しいのだから、こんな笑い話くらいあってもいいだろう。

ノベル&シナリオ専攻 3年 工藤舞香