株式会社meleap

HADO

プロフィール

株式会社meleap イベント&プロモーション奈良 歩。 外食産業やエンターテインメント企業などでの勤続を経て企業のビジョンに共感し2018年にmeleapへ入社。現在はHADOの広報業務のほか、公式大会の運営なども行う。

HADOとは…

株式会社meleapが生みだした、3対3で行う新ジャンルのスポーツ。フィジカルスポーツにAR技術を組み合わせたものが基本コンセプトになっている。腕にデバイスを装着し、ゴーグルをつけてプレイする。

ARを用いることで、現実にはない弾を映し出し、体を動かすことで避けたり、シールドを作り出して味方を守ったりすることもできる。最終的に、相手に弾を当てたスコアで勝敗を競う。試合前にパラメーターをカスタムすることもでき、チーム内の作戦も豊富に立てる事が可能である。

HADOの大会も開催されており、その様子はYouTubeでも配信されている。HADOをプレイしている世界人口は210万人を超えており、その数字は日々増え続けている。

また、『HADOモンスターバトル』や『HADOシュート』といったアトラクション型のゲームもHADOの開発過程で開発されており、子供向けのイベント出展として展開している。

HADOの誇る高度な技術は日々進化し続ける

そんなHADOには、もちろん高度な技術が使用されている。HADOをプレイする際、必ずフィールドの両サイドに、布製の幕が張ってある。これを頭に装着したデバイスで視認することで、プレイヤーの位置情報をトラッキングしている。

そんなHADOには、もちろん高度な技術が使用されている。HADOをプレイする際、必ずフィールドの両サイドに、布製の幕が張ってある。これを頭に装着したデバイスで視認することで、プレイヤーの位置情報をトラッキングしている。

実は、これは元から可能だったわけではない。昨年まではセンサー類のデータの統合ができていなかったので、マーカーを見ながら動かなければいけなかった。少しずつアップデートを行った結果、今のHADOがあるのだ。

生まれたきっかけは「幼いころの夢」

そもそも、HADOが生まれたきっかけは、CEOである福田浩士氏の幼い頃から夢である。「かめはめ波を撃ちたい」――それが福田氏のずっと抱き続けてきた夢だった。

そんな思いを実現させるために起業されたのが株式会社meleapであった。試行錯誤していく中で開発されたのが、『HADOモンスターバトル』や『HADOシュート』である。

そのあと、人と人が対戦形式で行うスポーツとして展開した方がいいのではないかという考えにより、HADOはテクノスポーツとして生まれたのだ。

誕生から約6年……世界の競技人口が210万超のワケ

株式会社meleapでは、HADOをテクノスポーツという独自のジャンルに位置付けている。まさに、全く新しい、前例のないスポーツなのだ。

そんなHADOを生み出してすぐに行ったこと。それは“海外展開”だった。そして、それが功を奏したのである。その理由は、HADOの持つ特徴である。

まず、HADOのルールは、弾を当てた数が多ければ勝ち、とシンプルであること。そのために、直感的にプレイをすることが可能である。

次に、HADOで使用しているUIやデバイスである。UIは腕を振ったら技が出る、などといったふうにシンプルでわかりやすいものにすることで言語に捕らわれることなく展開できるようにしたのだ。

加えて、腕やゴーグルのデバイスにはapple製品を使用している。これによって継続的に、世界のどこでも手に入れることができるようにした。

また、日本以外の多くの国でも「手から弾を発射する」という概念に憧れを持って受け入れられていることが多いようだ。むしろ、日本人よりもオープンな性格であることもあって海外でウケる傾向もある。

このようなことから、短い年月でも、多くの競技人口を獲得することができたのだ。

HADOはハンディキャップがあるとできない?

HADOは、前述の通り体を動かすことで弾を避ける。一見すると、ハンディキャップがある方には難しいと思われがちだが、実はそうではない。

HADOには「HADO ARENA」という体験型店舗が日比谷をはじめ、全国に10カ所存在している。そこでは、健常者の方だけではなく車いすに乗った方もプレイしている。

車いすに乗っていても、ルールは全く同じで行える。弾を避ける時は頭を下げるだけで可能なのだ。車いすであると横に移動しにくい点もあるが、そこを健常者のプレイヤーがシールドを張ってカバーしてあげる。そうして、チームでカバーしあえるのも、このHADOの魅力と言えるだろう。

コロナウィルスの影響で、日本に初めて緊急事態宣言が出た春。当時、HADOは開催できる場所がないという苦しい状況に見舞われた。

HADOをプレイするためには、フィールドの関係があって商業施設やスポーツ施設への導入が主流であり、一斉にそれらの施設は営業休止されてしまったのである。

しかし、コロナが与えた影響は、何も悪いことだけだったわけではない。HADOではプレイヤー同士で接触する機会が極端に少ない。競技中は何かを物理的に共有することもないので、相手チームとはほぼ無接触で試合を行うことができるのだ。

また、頭につけるゴーグルや腕につけるバンドは一人に1セット用意した。これにより中身のデバイスだけ取り換えられるようにした。偶然だったとはいえ、専用ハードウェアではなくゴーグルとデバイスが別であったことも有利に働いたのである。

コロナ禍で見えた希望は、これだけではない。

新たな希望

コロナ禍で活きた“非接触”は、メディアからも注目された。メディアでは、コロナ禍でもソーシャルディスタンスを保って行える競技“ディスタンススポーツ”として紹介されたのだ。

「子供にスポーツをやらせたい。でもコロナが怖い。」そんな親たちが子ども連れでやってくるようにもなったのだ。こうして、コロナ禍の中でも大きな注目を浴びることになった。

今回は、HADOを生み出した株式会社meleapの広報担当である奈良 歩さんにお話を伺った。

HADOへの想い

私が入社したとき、HADOは競技としてある程度完成している時期でした。コンテンツとして紹介されるまではスポーツはおろか、ARなどの技術とは無縁でした。

初めてプレイしているところを見たのは、大きな大会が行われている現場でした。プレイヤーの熱い想いや真剣に取り組む姿が目に入ってきて、その時に「世の中にはこんなものがあるんだ」と、とても驚きました。それと同時に、この競技を発展させたいという思いが強くなりました。

入社してからは、「未来のスポーツ」だという印象を非常に強く抱くようになりました。HADOを通していろいろな年代の方と知り合ったり、普通に生活していたら交わらない人たちと出会えたり。ひとつのストーリーを繋いでいくということが、本当に素晴らしいことだと思います。

従来のスポーツとはだいぶ違うなという風にイメージからはガラッと変わっていきました。

「テクノスポーツ」として目指すところ

「テクノスポーツ」という言葉自体が、まだ世の中にそれほど浸透していないですし、我々以外のコンテンツがまだ出てきていないんです。

ただ、産業革命によって機械技術が進歩してモータースポーツが生まれ、インターネット技術の進歩によりeスポーツが生まれたように、次の段階としてテクノスポーツがこの先拡大していくと思っています。

テクノスポーツ自体が違和感なく世の中に受け入れられるような時代に絶対になってくるはずです。その中で我々がいろいろな競技を引っ張って、テクノスポーツの代表になっていったらと思います。

今現在、競合しているコンテンツは、まだほとんど生まれていないです。競合するものとしてはいろいろなものがあると思っています。

例えば、スポーツだけでなくスマーフォンのゲームだったり、eスポーツだったりですかね。今は全てのものが競合しているんじゃないかなと思います。選択肢が色々ある中で、実際に体を動かして汗を流すことが好きな方もいるでしょうし、苦手な方もいると思います。

体を動かすのが苦手な人でもゲーム的な要素が強いので、普通にスポーツをやるよりも入りやすいことが、このテクノスポーツの長所だと思います。

HADOとして目指すもの

HADOの明確なビジョンとして、いずれはサッカーを超えるような競技にしていきたいという思いがあります。勿論、HADOがオリンピックやワールドカップの競技になったら嬉しいですが、まだ今はそこまで取り入れられていないのかなという思いもあります。

しかし、eスポーツは世の中に浸透していきているので、同じように出られたらいいですね。あとは、テクノスポーツの世界の祭典のようなものを先駆けとなって開催できたらいいなと思います。

また、HADOがどこでもプレイできるようになればいいなとも思っています。

現状だと、どうしても店舗型のコンテンツでプレイするために専用施設に行かなければいけません。もっと手軽にできるようになれば、公園などで自分の機械を使ってHADOができるようになりますし、それは技術の進歩で可能になって行くと思います。

会社では、子供たちが学校帰りに「公園でちょっとHADOやって帰ろう」というような感じでプレイしてもらえたら、という話をよくしています。

あなたにとってのバーチャルリアリティとは

バーチャルリアリティ技術というのは、ひと昔前だとなかなか触れる機会が少なかったと思います。ですが、近年だと個人でも機器を購入できたり、触れる機会も増えていったりしています。

スマートフォンが出てきて、生活の中で必要なデバイスとなったように、バーチャルリアリティの機器も、当たり前の存在になってくると思っています。

VRやARなど、さまざまなものが出てきていますけど、そういったものの垣根がなくなって、ひとつの新しい技術として自然に自分たちの生活に溶け込んでいく時代がすぐそこまできていると思います。

VRやARといった技術は、世の中に夢と希望を与える技術だと思っています。我々、株式会社meleapの理念として、新しい技術を駆使して世界に夢と希望を与えて、スポーツの歴史を作り出すというものを掲げております。そのために必要なものだと思います。

本文構成:野水聖来

取材宮担当:野水聖来/宮澤葵/小菅達哉/
ママトワ・アナスタシア/河本ワダチ

写真撮影:ママトワ・アナスタシア

取材場所:株式会社meleap イベント&プロモーションHADO運営事務局

(取材日時/ 2021年7月6日)