流行ってるゲームは面白くない?
流行るゲームというものがある。 ごく最近でいえば、アニメ調のオープンワールドがウリのスマホゲーム『原神』(2020/9 miHoYo)。少し前には『どうぶつの森』(2020/3 任天堂)。もっと前だと『パズル&ドラゴンズ』(2012/2 ガンホー)、『モンスターハンターポータブル3rd』(2010/12 カプコン)、『スーパーマリオブラザーズ』(1985/9 任天堂)、『スペースインベーダー』(1978 タイトー)…。
世の中には流行るゲームというものがある。 しかし、なぜ流行ったのか、これから何が流行るのか、を知っているゲーム開発者はいるだろうか。SEGAはハード戦争に負け(2000年。ソニーがPS2を出した年。SEGAはドリームキャストを最後にハード事業から撤退)、
任天堂でさえ売れない時代があったし(2012年。WiiUが売り上げを伸ばせず、同時にスマホゲームが台頭したことによる低迷)、そして有名パブリッシャーの陰で数々のゲーム会社が消えていった。 これらが意味するのは、それを明確に知っているゲーム開発者はいないということ。
ではゲームをやる側、ユーザーはどうだろうか。 新しい流行るゲームが生まれるたび、ユーザーは必ず、「なぜそのゲームが流行っているのか」を無意識に分析する。 直感的なゲームシステム。進化したグラフィックス。既存にないゲーム体験。 次に、そこがそのゲームの面白いところだと思い込む。 決して間違ってはいないと思う。しかしユーザーが導き出した回答は、本当の”流行った理由”ではないと私は思っている。そして同時に、流行ったゲーム=面白いゲームという世間の風潮に異を唱えたい。
思い出してほしい。あなたの好きなゲーム。なぜあなたはそのゲームをプレイし始めただろう。ゲームは情報社会の発達とともに成長してきたコンテンツだ。コンピューターテクノロジーの向上はゲームの実現性を拡張した。 ボリューム、グラフィック、インターフェース、オンライン。 つまり一つのゲームにいろんな要素を、好きなだけ(予算の限り)詰め込めるようになったということ。