『ポケモン・ストーリー』
著者:畠山けんじ・久保雅一
出版社:日経BP
2000年12月
書籍紹介リンクはこちら
『ポケモン・ストーリー』
著者:畠山けんじ・久保雅一
出版社:日経BP
2000年12月
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私のポケモン人生はホウエン地方から始まった。
出会いは2005年……なんて書き出しの本なんて、有名人の本でなければ読もうとも思わないでしょう。 しかし、この書籍『ポケモン・ストーリー』はそんな自分語りをしてしまいたくなるくらい、『ポケットモンスター』愛にあふれた書籍です。 (以降『ポケットモンスター』は『ポケモン』と略します)
始まりは同人誌「ゲームフリーク」。 田尻智さんがいろいろな得意分野を持つ人たちと繋がった、大切な場所。その成り立ちから、会社になり、その先の2000年までの軌跡が書かれているこの書籍は、まさに「『ポケモン』の歴史書」と言っても過言ではないでしょう!
私はこの書籍を読むまで「ゲームフリーク」が元々同人誌(ミニコミ誌)だったことはなんとなく知っていた程度で、しかしどうやって企業になったのかなど詳しいことは一切知りませんでした。約15年間『ポケモン』をずっと好きでいた身として恥ずかしい限りです。
やはり自分が生まれる前のこと……は言い過ぎかもしれませんが、ゲームで、あるいはアニメで『ポケモン』に初めて触れる前のことは意識して調べないとわかることはできませんし、1990年代当時の情報をインターネットで調べることは案外難しいものです。
そこでこの書籍『ポケモン・ストーリー』です。
全4章でできているのですが、第1章は『ポケモン』が産まれる前の前の話が語られています。田尻さんの少年時代の話から、ゲームフリークとして開発に臨んだ『クインティ』、それから田尻さんの頭の中から産まれた『ポケモン』、そのデザインに対しての気持ち……第1章だけでもものすごい情報量があり、同時にワクワク感がわいてきます。
一方で『ポケモン』が産まれるまで苦しんだり悩んだりしている姿が鮮明にわかるようで、ああこれからどうなってしまうんだろう? というドキドキもあり、一層ページをめくる手が止まらなくなります。 第2章以降はあなた自身の目で確かめてほしい! きっと我こそは! と思っているポケモン博士でも知らないことが書いてある……かも!
2021年2月現在、『ポケモン』シリーズは最新機『Nintendo Switch』にて『ポケットモンスター ソード・シールド』の有料追加コンテンツを出しているところや、2019年から放映されているTVアニメ新シリーズ『ポケットモンスター』(青いロゴのもの)、さらには『ポケモンカードゲーム』の人気ぶりを見る限り、まだまだ熱のある、勢いのあるコンテンツであることは一目瞭然です。
そんな勢いのあるコンテンツになるまでの、長く誰も通ったことのない道のりをたどってきた『ポケモン』。 ……書籍の入手難易度は少し高いかもしれないですがもし読む機会があればぜひ、読んでみてください。
『ポケモン』がどのように生まれたのか、どのように広がっていったのか。ゲームフリークや任天堂、小学館など、周りの企業も巻き込んだ『ポケモン』の誕生秘話が今ここに……!
ノベル&シナリオ専攻 3年 工藤 舞香