『eスポーツのすべてがわかる本』
著者:黒川文雄
出版社:日本実業出版社
2000年12月
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『eスポーツのすべてがわかる本』
著者:黒川文雄
出版社:日本実業出版社
2000年12月
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今や「eスポーツ」と聞くと何かと連想できる時代になっているが、それは表向きのこと。裏の詳細を理解している人は多くはないだろう。この『eスポーツのすべてがわかる本』はそんなあまり知らない裏の内容が事細かに書かれ、分かりやすくなっている。
突然だが、「ゲームとは存在か」と問われたらどう答えますか? ゲームをしたことがある人は、娯楽や暇つぶしと言った理由は人さまざま。もう一度言うがそれはゲームをしたことがある人だけ。ではゲームをしたことがない人たちも当然いるわけだ。その世代はゲームとは決して良いモノとして捉えられていなかったことがあるかもしれない。
でもこの時代はインターネットが普及し、便利な社会が構成されつつある。それはゲームというひとつのコンテンツも例外ではない。ゲームをしてお金が稼げる時代にもなっているからだ。それがゲームとeスポーツを紐づけている。だが、多くも人が一度は思うことは「eスポーツってスポーツなのか」という疑問だ。
eスポーツで使用される道具(ツール)が野球であるならば、バット、グローブ、ミット。サッカーなら、サッカーボールのように共通したものを使用していないこと、各eスポーツのゲームコンテンツによりルールや内容が異なることなどがあります。似たような事例として、1990年代の初頭にF1を代表とする自動車レースが大きく注目されました。これを「モータースポーツ」としての呼称は今では浸透していますが、当時時はまだ、自動車を使ってドライバーが一定のルール(レギュレーション)の中で展開する「モータースポーツ」は、「スポーツ」の意義や意味合いの浸透が足りていませんでした。
また海外ではチェス、バックギャモン、ポーカーなどの「マインドスポーツ」と呼ばれ、世界的な大会も開催されています。これらのマインドスポーツと同様に、eスポーツは知力はもちろんのこと、緊張感を欠かさず、予選からはじまって数多くの対戦を重ねていく形は体力も求められます。つまりeスポーツは知力、体力、忍耐力を備えつつ、長時間の対戦ストレスにも耐える精神力も求められるのだ。まさに21世紀の新のスポーツ形態と言っても過言ではないはずだ。
そして現在は新型コロナウイルスの影響で不必要な外出は控えるようにと、世界中が頭を抱えている中で、ゲームも盛り上がりを見せている。自粛期間中はどうしてもやることが無くなった、と考えるとゲームをやろうと思いついた人たちは少なくはないかもしれない。またストリーマーたちがゲーム実況を配信するというコンテンツも人気である。ゲームというものは自分でプレイするのも楽しいものだが、観て楽しむということがeスポーツも同じことを言える。物は扱いようのように、ゲームもただ敵対視するだけではなく、今の時代の移り変わりに少しでも触れてみるのも面白いのではないかと思っています。この本はそんな方たちに向けたメッセージかもしれません。
ノベル&シナリオ専攻 2年 宮澤 葵